夫の育休、ほろにが回想録

夫の育休、ほろにが回想録

夫の育休を妻目線で振り返りました。15分読み切り型です。

夫の育休気付き7 育児に終わりはない

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(なつかない子供たちにくすんとなるタロウ氏)

タロウも含め、まだまだ男性育休への理解の浅いこのご時世に、周りと少し違うことにチャレンジされた育休男子の皆様のこと尊敬です。

私が男性だったら同じことができるか疑問です。
(選択肢がない分、とるとらないの葛藤はなかったです)


ひとつだけ、私が勝手に心配しているのは、
育休をとった世の男性たちが
「育児の大変さがわかった!!!」
という高揚感や
「先駆者として成果物をださねば!」
という使命感(か義務感)をいだき、美談ばかりを広めないか、という点です。


男性育休を広めるために活動するのは素晴らしいことですし、勤め先への説明などなど、逆境越えてとった育休、何か成果がないと、申し開きができん!という気持ちや、ぜひ他の家族にも同じ体験をしてほしい!という熱い思いもすごく理解できます。


そして発信される前向きな情報は必ず、次に育休をとる方々の後押しになるとも思います。


でもあえて「美談はソコソコでいい」と言いたいです。



美談は自分自身や後進を苦しめかねないから。


少なくとも私は、育休最中にいくつか体験談をさらい、上位にあがるのはどれもとってよかった、いい経験だった、妻側も助かった、うまくいった、などなどいい話ばかり、なのになんでうちは同じようなことしててもこんなツラいんだろうと落ち込んでいました。。


男性育休に限らず、受験も就活も仕事のプロジェクトも子育ても、うまくいった人は、実はなぜうまくいったかがわかってないのに、無関係なことをうまくいった要因として結論付けていることが多いような気がします。

でも後進にとって参考になるのは、敗者の分析(何につまずいたのか、なぜ大変だったのか、何が難しかったのか)じゃないだろうかと考えています。


それに、綺麗な体験談を紡ぐことと同じくらい、もしくはそれ以上に、目の前の家族に向き合い「続ける」ことは価値あることなんじゃないかなぁ、とも思います。


育休は終わっても、育児に終わりはないです。


育休で垣間見れる育児の苦労は長い育児プロジェクトのごく一端です。
(とても大変で大切な一端ではありますが)


子供は日々成長し、変化し、今日通用したルールが明日には使えないなんてことは日常茶飯事。


それはすなわち、親として今日学んだ、身に付いた技術や知識は悲しいことにすぐに陳腐化するということです。


雑に言うと、男性が、育休を通じて知った子育てのイロハは家庭内では既に陳腐化しています。

おむつがえも、授乳の苦労も何もかも、一瞬で過ぎ去ります。

夫に専業主婦時代の辛さを理解してもらったところで復職後の私は特に嬉しくなかったのと同様で、
育休後の夫に、育休時代の苦労を熱く語ってもらうよりも、今、目の前の私の苦悩を想像/共感/共に解決してほしい、というのが妻の願いな気がします。
(私だけかもしれませんが。。)


今日、夫としてちゃんと共感できた、一緒に向き合えたと思っても、明日には妻は全然違う子育ての悩みに悶えているかもしれない。


子供が育てば悩みの種も多様化し、共感できる人は減っていく、そしてその時にはもう、育休を使って仕事から離れることもできないはずです。
時間をやりくりしながら家族の問題に向き合わないといけないはずです。


育休を、乳幼児育児体験タイムとしてだけでなく、
家族同士、互いに悩み、分かち合える関係になるための第一歩として捉えられれば、
目立った成果物がなくても、長い目で見て充分意義ある時間じゃないか、と、私は思います。
(私が言うとただの負け惜しみにしか聞こえないと思いますが。。)


何かの形で育休が人生にプラスに働いてくるかもしれないです。
その繋がりが明確にわからなくても、言葉にできなくてもいいと思います。
男性育休取得者が全員、育休の成果ださなきゃ、育休のいい話しなきゃ、と気負う必要は全然ないと思います。



それから「育休頑張ったのに子供がなつかん!(恩知らず!)」と悩んでいるパパたちには

どうか諦めず、子供のパパへの愛情のサイン(呼びかけ、目配せ、駆け寄りなど)を、一瞬漏らさず全部拾ってやるくらいの気合いで子供を凝視し続けて頂けたらと思います。


あんなに世話したのに懐かない!とプンプンするタロウさんではありますが、私から見れば子供からのサイン見落としてる!もったいない。。と思う場面も多々あります。
(私自身も全てを拾えてる訳じゃないですが)



あと、今はママママ言ってても、数年後には立場逆転、所詮母親はクソババア、尊敬するのはお父さん、なんてことも大いにあるはず。
(想像するだけで悲しい。。)



せっかく育休とったんだからと、懐かれようと躍起にならず、寛大な目でママの(子供にとっての)アイドル期間を見守るというのも手かもしれません。