夫の育休、ほろにが回想録

夫の育休、ほろにが回想録

夫の育休を妻目線で振り返りました。15分読み切り型です。

夫の育休気付き1 パパ後光症候群

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(後光で輝くタロウ氏)

「パパの育休」という言葉は私が思っていた以上に甘い響きがするらしい。
働きづめでなにかと言えば仕事シゴトでイエノコトは妻任せの仕事人間でもない、
家計の支えを妻に預ける専業主夫でもない、
まだ男性育休に理解がない社会で、妻のために勇気を出して会社に育休を申し出た、妻思い、子供思いの男性としてうつるらしい。



もちろんその称賛は完全な的外れではないんです。

でもなんか違う!という私のモヤモヤ、誰かわかってくれないかなぁと時々思っちゃうんです。。



確かに、私の夫は育休とってくれました。
性にあわない育児も本当に頑張ってくれました。
家事は効率よくこなしました。
今も家事育児分担前向きに考えてくれています。



でも、育休の間、
夫のやったことはワークロード換算で言えば一般的な専業主婦の半分(は言い過ぎでも6割くらい)だったと思うんです。



離乳食作りやら帰宅後の育児(食事~寝かしつけ)やら水回りのお掃除や保育園入園準備やらオムツ洋服在庫管理やらなんやらかんやら

専業主婦がいる旦那さんはこの辺全部奥さんがやってるんだよね!?て思うところを働いてる私が引き受けてたよね?


毎晩ジョギング小一時間、勉強時間?数時間、タロウに確保してたよね?


一般的な専業主婦って平日夕方以降にそういう優雅な時間、ないよね。。!?
(というか今の私にも、ないよ!?)


なーんで日中家事育児するだけでタロウはこんなに褒められるんだーー!
というモヤモヤ。



私は夫が所謂専業主婦の業務範囲100%カバーしなかったのが不満だったわけではないんです。
(誤解なきよう念押しです。)


会社から帰宅後私が育児を引き受けたのも、その他諸々も私が自らやったことですし。

夫に毎晩息抜きの時間を持ってほしいと思っていたのも私ですし。



そこじゃなくて、
完全な専業主婦状態でないはずの夫が、

「"夫"でありながら家事育児に奮闘している」
という事実だけでまるで神のように称えられ、

ハナコさんのとこは旦那さんが奥さんの苦労をわかってくれていいですね」
みたいな扱いされるのがモヤモヤしたんですよね。



「いやいや、私も家事ちゃんとやってるし、
夫は毎晩フリータイム数時間確保してやりたいことやってるし、
休日も毎週夫がでかけて私が子供と過ごして、
私は休みなしでそれなりに辛いんです」

的なことを夫を称賛してくださる奥様方にかるーく匂わせても

「まあそれ(妻が家事育児するのは)はそうですよね(当たり前ですよね)」
という微妙な反応しか返ってこず。



なんでやーー!と思ってました。

なんでタロウだけが、
私の専業主婦時代の半分のことしかしていないタロウだけが、
私の影ながらの共同作業あってこそ日々がなりたっているタロウが、
こんなにも同情と称賛をうけるんだー!!と。



後日「Unfinished work」という本で、

「パパ後光症候群(夫もしくは父親が家事育児をすることを過剰に称賛する風潮)」

というわかりやすーい単語を見て、
こういう風潮も課題認識も日本だけじゃないのねと少しホッとしたものでした。



とは言え、他方私は職場では、
"ワーママ後光症候群"の恩恵をうけているのもわかってるんです。

夫の育休への過度な称賛(の蚊帳の外になる苦い)経験を経て、
職場の若手社員の気持ちが少しわかった気がします。


職場では、
大したことしてなくても

「子供二人かかえて頑張ってる」

という修飾が、私には必ずついてまわります。


例え残業しなくても、
打ち合わせを子供を理由に欠席しても、一応、
「頑張ってる人」扱いです。
(本音は別でも)



夫を始め、子供を持つ男性社員や独身若手社員はそうはいかないでしょう。


彼ら若手社員は、
私のような(制限のある働き方をする)社員の尻拭いをしている場面は多々あれど(ごめんなさい。。)、
それは誰に褒められるわけではないでしょう。

当たり前扱いされるでしょう。


よその奥様方からの夫への過剰な評価に対して私が抱くモヤモヤはまさに、

職場の若手社員が私に対して抱くモヤモヤなのだろうなと、しんみりします。



男の家事育児の参加や働く女性を堂々と非難する世の中じゃなくなってるのは確かだし、いいことだと思います。


けど、
「"男らしくない"こと(家事や育児)を頑張ってるからエライ」とか、


「"女らしくない"こと(フルタイムの仕事とか肉体労働とか)をバリバリやってるからエライ」とか、


そういう称賛はあまりに盲目的じゃないだろうか。褒められる方も居心地悪い。
結局上っ面しか見られてないなーと。



家事は家事
育児は育児
仕事は仕事



それぞれの出来映えの充実度で評価される方が気持ちいいです。



(※パパ後光症候群補足)
「Unfinished work」著者は「パパ後光症候群」が男性への差別であり失礼な風潮だ、という論調で、私のような自己中な憤りでこの風潮を非難してるわけではないです。