夫の育休、ほろにが回想録

夫の育休、ほろにが回想録

夫の育休を妻目線で振り返りました。15分読み切り型です。

「夫の育休」夫婦の思惑

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(軽いノリの頃のタロウ氏)

そりゃもう、奥さんが早く職場復帰したかったんでしょう。
(さすが!いまどきのワーキングママ!)


旦那さんが奥さんを応援するために勇気を出して育休をとってくれたんでしょう。
(さすが!理解のある旦那さん!)


理想のイマドキの夫婦!と勝手に思い込まれることが多いのだけれど、本当はそんなことなく、、、




私と夫、それぞれの自分のため、相手のため、本音とタテマエを使いこなしながら始まった夫の育休生活でした。





ハナコ(私)の思惑:
①(本音)タロウがもっと家族好きになってくれるなら!
②(タテマエ)第一子育休を長くとってしまったうえ第二子育休で長期休むのは申し訳ないので。。

私には一日も早く職場復帰したい!なんて気持ちは正直全然なく。。
会社からも「ハナコさん早く帰ってきて」と求められてるわけでもありませんでした。。


第一子産休・育休時に夫の転勤に付き添い既に1年半近く会社を休んでいたこと、
妊娠がわかる前から異動が近付いていて、復帰後は今までと全く違う部署・業務に入る可能性が濃厚だったこと、等々、
理由はいろいろですが、復帰への熱意と意欲!みたいなのはほとんどなく。
仕事完全にやめちゃうのは不安だけど、新しい部署不安だし、とりあえず時期がくれば復帰するしかないなーという程度。ダメダメの受け身社員。


そんなことより、第一子妊娠中は、つわりで苦しむ私を横目に「ハナコの体調の良し悪しはハナコの問題で俺の予定には関係ないから」と爽やかに言い放ち一人出かけていくような人だった夫が、
第一子誕生を機に「子供がいてよかった」「家族は大切!」「自然に笑顔が出るようになった」「毎日家で子供と二人でつらくない?」等等、妊娠時からは想像できない思いやり発言を連発するようになり

「子供という生き物は、巷で『人間の心を持たないAI』と呼ばれるタロウにも『人間のココロ』をインストールさせる威力を持っているのか!」と感動。

第二子妊娠がわかったときの
「育休とりたい!できるだけ長く!」
というタロウ氏の申し出に、
「こりゃこのままタロウが子供と沢山触れ合って、このままもっと家族ファーストになってくれるなら最高じゃないか!しめしめ」と思いながら
「育休がいい意味で仕事の区切りになるといいね!」と思いやりのある妻感を漂わせ賛同。



夫タロウの思惑 :
①(本音)ちょっと一時仕事から離れたい!次のステップに移る準備期間が欲しい!
②(タテマエ)妻も家にこもらず早期復帰で世界をひろげられたら!


第一子誕生後、子供の可愛さと、そこそこ気楽に過ごす妻ハナコが羨ましくなったタロウ氏。
加えて当時の仕事が性に合わず、転職も視野に入れ始めた頃第二子妊娠が判明。
「妻が仕事復帰したくてたまらないようなので応援したい」という社内説明が見事ヒットし、第二子出産〜保育園入園迄8ヶ月間という社内でも前列のない長期育休権取得。
育休中は家事育児の傍ら自己研鑽にもしっかり励み、見事資格取得。




育休をとった、とってもらった理由はお互い世の中ウケの良い理由ではないし、
その思惑の行き違いが、後の苦しみを生んでしまった、という反省もありますが、それはそれとして。



夫タロウのようにすこし仕事から離れたい、違うことに時間を使いたいという気持ちで男性が育休を取ること自体は、家族の同意さえあれば、アリだなーと思ってます。


育休中に資格の勉強したりどこかに通ってみたり、何か趣味に専念してみたり。


世の中の女性だって、育休中に子供をよそに預けて社会復帰に向けた準備に専念してる人だっているわけで。
(そしてそれは女性の場合「意識高いワーママ」として賞賛の対象となることも多々。)

家族ができると稼ぎ頭が人生の舵を大きく切り替えるのが難しくなりがちな日本だからこそ、
パパたちも育休の機会をとらまえて、
今までと違う世界に触れる、違う時間の過ごし方をするということは、もっと奨励されてもいいかなぁと思います。



子供との時間をとる、とか、子育ての苦労を知る、とか育メンちっくな理由とは別の、
パパ自身の人生を豊かにすることに使ってもいいんじゃないかと思ってます。

女性は望むと望まざるとに関わらず、妊娠して無事に出産を迎えることになれば一定期間休むことになるわけで。


それによって得られている幸せを分け合うような気持ちで、妻も夫の育休も気軽に許せたらいいよなぁと。



ただまあ、
やるからには想定外の苦労があること覚悟の上で、
「相手のため」という気持ちをできるだけ0にして「自分のため」と納得して育休期間に入ること、
それが大事だったのかなぁと今振り返ってます。



↑の(タテマエ)は、双方決してウソではないし、お互い相手を思いやる気持ちはあったはずなんです。

でも私も夫も、世の中ウケしないことをしようとしてるかも、というなんとなくの後ろめたさを
「相手のため」だという言葉でごまかして、最後の決断をしてしまったのがいけなかったかなぁと。



こんなに苦しんで育休とってあげてるのに、
辛い思いして育休とらせてあげてるのに、、、

このいつまでも噛み合わない「お互いのため」感が亀裂を生んだかなぁと。



もしやりなおせるなら、
私は育児特有の大変さと、早期復帰は必ずしも私にとり幸せではないことを、もっときちんと伝えた上で、夫の決断をあおぐかなぁと思います。


(夫婦なのにそんなこともきちんと話してなかったのかとあきれられそうですけれど)


当時は夫に育休とってもらえばもっと家族仲良しになれる、と思い込んでいて、
育児の現実(特有の大変さ、仕事とちがう苦労)を伝えることで、
夫が「やっぱやめたー」とか「じゃ、家事育児はハナコよろしくー」となるのを畏れてたなぁと反省してます。